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CODACA インダクタの解説:産業用グレードと自動車用グレード ― 外観を超えた重要な違い

2025-08-16

はじめに:CODACAの産業用および自動車用インダクタは外観上は類似しているように見えますが、そのコアとなる仕様、認証、性能は大きく異なります。本分析では、命名規則、品質システム、試験基準、性能指標、設計選択といった主要な違いについて詳しく説明し、ミッションクリティカルなアプリケーションにおける部品選定の指針を提供します。

CODACA Inductors Decoded: Industrial-Grade vs. Automotive-Grade – Critical Differences Beyond Appearance

1. 製品命名規則

1.1 自動車用グレードインダクタ:

◾ 自動車電子機器の厳しい信頼性要求に対応して設計されています。

◾ モデル接頭辞: "V"(Vehicleを示す)

◾ キーシリーズ: モールドパワーチョーク (VSAB , VSHB , VSHB-T , VSEB-H ), 高電流パワーインダクタ (VSRU ), 棒インダクタ (VRKL0740 ).

1.2 産業用グレードインダクタ:

◾ 対象アプリケーション: 産業用電源、制御システム、再生可能エネルギー、通信

◾ 識別ルール: "Automotive-Grade"と明示的にラベルされていないすべてのCODACAインダクタは、このカテゴリに該当します。

2. 品質管理および文書管理

Automotive-Grade部品は、開発、試験、製造、材料のすべてにおいてより厳格な管理が求められ、広範な文書管理が必要です。

2.1 Industrial-Grade 文書:

◾ データシート承認フォーム

◾ 国家標準信頼性試験報告書(7項目)

◾ 適合文書: RoHS、REACH、ハロゲンフリー

◾ FMD/MSDS

2.2 Automotive-Grade 追加要件:

◾ APQP(先進的製品品質計画)

◾ AEC-Q200 適合(必須)

◾ 専用生産ライン

◾ IATF 16949 認証

◾ VDA 6.3 プロセス監査(ドイツ自動車業界)

◾ PPAP 提出(レベル3対応)

◾ IMDS/CAMDS 材料報告

◾ 重要工程能力(CPK)≥ 1.67

CODACA Automotive Inductor Quality System

3. 信頼する AEC-Q200 テスト:自動車用基準

3.1 適用範囲 ストレス試験(電気的試験、機械的衝撃、振動、温度サイクリング、湿度、はんだ付け性)において信頼性を検証します。

3.2 CODACA オートモーティブインダクタ:

◾ グレード0(最上位レベル)認証済み。

◾ 動作温度範囲:-55°C ~ +165°C(標準グレード0を上回る)

3.3 CNASラボの能力: CODACAでは社内でAEC-Q200試験を実施しています。

3.4 AEC-Q200準拠の産業グレード: 特定の産業用シリーズ(例:一部のモデル)は、過酷な環境向けにグレード1(-55°C ~ +155°C)での試験に合格しています。

◾ 注意:システム要件、生産管理、文書記録における違いがあるため、自動車用グレードと同等とはみなされません。

4. 性能比較:CSAB(産業用)対VSHB(自動車用)モールドインダクタ

特徴 CSAB(産業用) VSHB(自動車用) 自動車分野での強み
端子 狭幅設計 広幅設計 ↑ 機械的耐性
振動耐性 ≥ 5G(基本的なAEC-Q200を満たす) ≥ 10G ↑ 振動耐性
コア材料 低損失合金粉末 低損失合金粉末
成形工程 冷圧 低圧熱プレス ↑ コア密度&耐電圧 ↑
↓ コイル変形/割れ ↓
直流抵抗 (DCR)/電流 標準設計 高透磁率 → 巻数減少/太い線材 →
↓ DCR / ↑ 定格電流
↑ 電気効率
最大周波数 800 kHz 1000 kHz ↑ 高周波適合性
温度範囲 -40°C ~ +125°C(AEC-Q200 グレード 1) -55°C ~ +165°C(AEC-Q200 グレード 0) ↑ 熱耐性
巻線/溶接 内・外巻線;レーザー溶接(一部) 外・外巻線;100%抵抗溶接 ↓ 短絡リスク低減 ↑ 信頼性向上
マーキング インク印刷(色あせすることがあります) レーザー彫刻 ↑ 永久性とトレーサビリティ

Molding Power Choke CSAB Series Appearance and Terminal Size

Molding Power Chokes VSHB Series Appearance and Terminal Size

5. 結論:極限まで信頼性を追求

5.1 自動車用インダクタは、過酷な動作環境(温度変化、振動、耐久性)に対して並ぶべきない耐性を備える必要があり、以下の要素が求められます:

◾ ロバストな品質管理(IATF 16949、APQP、PPAP)

◾ 厳格な工程管理(CPK ≥ 1.67、VDA 6.3)

◾ 優れた部品レベル性能(AEC-Q200 グレード0)

5.2 CODACAの主要技術:

◾ 24年以上のインダクタ設計ノウハウ

◾ IATF 16949 認証取得済みの製造

◾ AEC-Q200 認証対応の社内試験ラボ(CNAS認定)

◾ APQPを活用した開発および厳格なサプライヤー審査

◾ 産業用・自動車用アプリケーション向けのカスタム設計ソリューション

◾ 業界トップクラスの品質・信頼性基準